剣盾で登場した新特性:かがくへんかガス。 場にいるポケモンの特性を無効化するという中々面白い特性であり、ダブルのパーティのコンセプトを決めかねていたこともあって採用することにしました。 因みにばけのかわなどの固有の強特性は無効化できません。フラワーギフトは無効化されるのに。なぜ…。
もしかしたらとっくに誰かが公開していて被ってるかもしれない構築ですが、参考までに記しておきます。

ガラルマタドガスの種族値

H A B C D S
種族値 65 90 120 85 70 60

原種と同じですね。

ガラルマタドガスの役割

さて今回の仮想敵はエルフーン(+αでトリル始動要因)です。 ガラルマタドガスはかがくへんかガスにより、いたずらごころを無効化できるアイデンティティを持っています。 そのため、今作の仕様変更で強化された追い風起点の構築に対して、メタを貼ることができます。
ですが、特性だけではエルフーンを抑えることはできません。エルフーンは116族と素早く、また襷を持っていることが多いです。 最速襷エルフーンを倒すためには、マタドガスがエルフーンより早く動く必要があります。
初めはスカーフを持たせていました。古参トレーナーならご存じかもしれませんが、スカーフ最速60族は115族抜き、つまりエルフーンと同速になります。 そのため、どうしても50%の確率でエルフーンに行動されてしまいます。おまけに追い風をされた後に倒してしまっては、3ターンもの間エース格を追い風下で相手にしなければなりません。ここから負けに一直線になるパターンがしばしばあり、スカーフ及びダイジェットでのアシストによる構築では役割を持たせるには厳しいものがありました。

そこで逆に、相手の素早さを下げることにしました。ポケモンのステータスは基本切り捨てなので、最速エルフーンの実数値1842/3倍した値は122.6666666.... →切り捨てで実数値122となり、最速マタドガスの123を下回ります。隣のポケモンでエルフーンのSダウン+襷つぶしが出来れば、マタドガスのヘドロばくだんでエルフーンに何もさせずに倒すことができます。
上記が今回のマタドガスのコンセプトです。

種族 持ち物
マタドガス リリバのみ ヘドロばくだん ワンダースチーム ちょうはつ まもる
ドラパルト きあいのタスキ シャドーボール りゅうせいぐん はかいこうせん まもる
ゴリランダー いのちのたま ウッドハンマー はたきおとす ねこだまし まもる
ドリュウズ ふうせん 10まんばりき じしん アイアンヘッド まもる
バンギラス こだわりスカーフ いわなだれ かみくだく ほのおのパンチ ロックブラスト
リザードン ヨロギのみ ねっぷう ぼうふう ソーラービーム まもる

詳細

マタドガス@リリバのみ

H A B C D S
種族値 65 90 120 85 70 60
努力値 4 - 4 132 116 252
性格 - - - -
ヘドロばくだん ワンダースチーム ちょうはつ まもる

エルフーン起点の追い風パだと感じたらほぼ先発に持っていきます。基本ドラパルトとセット。
エルフーンが初手に来た場合の立ち回りは冒頭の通りで、ドラパルトダイマックス→エルフーンにダイアタック→エルフーンにヘドロばくだん、と動かします。 ダイアタックは警戒されづらいのか、かがくへんかガスを見てもほとんど突っ張ってきます。過去に2回ほど守られる、交代されることがありましたが、初手追い風を封じられるだけでも大分楽になると感じます。特に追い風軸のパーティは中速が多い印象があり、後続のドリュウズやリザードンが先手を取れる相手も多かったです。
技はタイプ一致技2つ+場に居座るために守るまでは確定です。他には10万ボルトや大文字などが候補に上がったのですが、いかんせん火力不足なのでサポートにまわることにし挑発を採用しました。この挑発がいい感じで、主にブリムオン・ミミッキュ・ヤレユータンあたりのトリパ指導要因に刺すことができました。
マタドガスはブリムオンイエッサンの並びに対しサイコメイカーを封じマジックミラーを貫通して挑発を入れることができます(猫だましでのアシストは必須)。 ただし、サイコメイカーが発動しない時点で猫だましは警戒されるため、マタドガスの立ち回りに注意が必要になります(対エルフーンに比べて安定しない)。 特に初手両まもるされると厳しいです。守るを切っている可能性も十分にあり今のところされたことはありませんが、サイコキネシスで落とされる可能性もあり対エルフーンほどの安定感はありません。 それでも、ブリムオンイエッサンはガチガチのトリパであることが多く(体感)トリル展開に圧力をかけることができるだけで大分試合展開が楽になります。
他にもSに振っているおかげで大体のアーマーガアの上から挑発を撃ったりできます。

持ち物のリリバのみは、出落ちを防ぐ意味で持たせています。エルフーンのとなりにはがねタイプがいることが多く、エルフーンを落としたけどマタドガスも落ちたというパターンが多かったためです。そのためリリバのみを持たせ、持ち物なしジュラルドンのダイスチル130耐えまでDに振りました。

努力値はS特化は確定で上記のとおりにDに振り、残りをCに振り切りました。耐久に振るか火力に振るかは迷いどころな気がします。Sに特化しているおかげで準速ルンパッパや中速のポケモンの上を取れることがあり便利でした。特にルンパッパはすいすいを無効化して横のポケモンとともに殴れるため、じゃくてんほけんに気をつければ比較的相手がしやすいと思います。


ドラパルト@きあいのタスキ

H A B C D S
種族値 88 120 75 100 75 142
努力値 4 - - 252 - 252
性格 - - - -
シャドーボール りゅうせいぐん はかいこうせん まもる

兎に角速い。600族でこの速さはずるくないですか?
エルフーンより早くダイアタックができるため採用。本当はダイマックスしなくても、がんせきふうじ・マッドショット・こごえるかぜ・エレキネットができればよいのですが、エルフーンより早くてこれらが使えるポケモンがエースバーンとかインテレオンくらいしかいませんでした。ゴリランダーがいるので御三家で揃えても良かったのですが、とりあえず無難に強いこの子にしました。スカーフ最速ウオノラゴンより速いのが何より偉い。


ゴリランダー@いのちのたま

H A B C D S
種族値 100 125 90 60 70 85
努力値 - 252 - - 12 244
性格 - - - -
ウッドハンマー はたきおとす ねこだまし まもる

対トリル要員。この枠はねこだましが使えて、トリルエースに強いポケモンが欲しかったところ、ちょうど草タイプでそれなりの耐久と火力を持ったこの子が該当しました。
ドサイドンやバンバドロに圧力をかけられるのが良いところ。コータスは辛いので後続でどうにかしないといけません。ブリムオンイエッサンの並びには、読み次第ですがどちらかにねこだまし、もう一方にマタドガス挑発といった感じで動いてトリル阻止ができます。ただし攻撃されるとドガスが落ちるので注意です。

Sはチェリムと組ませたときのチェリム-1をそのまま流用しているだけで、意味はないです。


基本的な構築の軸は上記の3匹で完成していて、残りはシンプルに強いポケモンで固めました。

感想

相手の特性を無力化するというのは、中々面白く使っていて楽しかったです。構築の軸自体は一発芸に近いところがあり、正直読まれると大分苦しくなります。自分の立ち回りが悪かったこともありますが、203位が限界でした。

Screenshot

今後もこのパーティを使うかどうかはわかりませんが、マタドガスに愛着が湧いたので色々可能性を試してみたいという気持ちもあります。海外の大会ではマタドガス入り構築が優勝したとかいう話も聞きましたので、強い子ではあると思います。

ここまで読んでくださった方へ、ありがとうございました。